人材サービスとは、簡単に言うと人材派遣、人材紹介を行うサービスのことになります。
ここでは、派遣ではなく紹介について説明します。
大きく分けると、公的機関であれば、無料の職業紹介を行うハローワークが代表格で、民間企業でも許認可を受けて、有料の職業紹介事業者として事業を行っています。
(ほとんどの事業者が求職者から斡旋に関する手数料を受け取っていません)
通常は、企業ニーズの答えて、新卒採用から既卒・中途採用するための人材を企業に紹介している事業者が大半を占めています。その中で、障害者を専門に取り扱っている事業者がいます。
人材紹介会社への登録は誰でもできて、登録すれば必ず求人を紹介してくれるという訳にはいきません。例えば新卒は定期採用が一般的ですので、新卒で就職を希望する方が人材紹介会社に登録を希望しても、新卒向けの求人がなければ登録する意味がありません。求人においては、性別や年齢などの条件で求職者を選別してはいけないことになっていますが、電話対応など発達障害の人が苦手とする業務が多いことには違いありません。そうすると、必然的に発達障害の人は応募できる求人は限られてきます。
また、人材紹介会社によっては発達障害のある人への対応に得手不得手があるかもしれません。過度な期待はしないようにするのが得策です。
応募書類の作成や面接に関する助言・指導はどの人材紹介会社でも対応してくれます。しかし、発達障害の特性をうまく説明できるかどうかには経験が必要です。数多くの発達障害のある人の就職活動を手伝ってきましたが、自己PRの作成に悩む人、欲しい配慮として、発達障害の特性をどこまで伝えたらよいのだろうと迷う人がいます。自分の特性を理解して、職場で欲しい配慮を具体的に伝えられることが重要です。
〇基本的には、登録から紹介できるまで無料である。
〇自分で求人情報の収集・分析をする必要がない。
〇自分のニーズに合った仕事や会社を紹介してもらえる。
〇希望職種、希望就業条件、自分のスキル、適性を客観的に診断してくれる。
〇応募書類の作成や面接に関する助言・指導。
〇スキルアップに関する助言。
〇求人企業との連絡調整の代行。
〇就職先決定に関する助言。
さまざまなメリットがありますが、
やはり便利で安心なのが、求人企業との連絡調整を行ってくれることです。
就業中の方だと、身動きが取りにくいこともあり、面接等で先方企業との間でのやりとりには神経を使います。
聞き取りの弱い人にとっては相手の話を正しく聞き取れただろうか?
こんなときはどのように答えるのがよかったか?と心配は尽きません。
そのようなときは人材紹介会社が企業との間に入り、不明な部分を調整してくれたりします。
利用する上でのポイントを2つほど挙げると、
◆自分に合った人材紹介会社を活用する
人材紹介会社によって特徴があります。まずは分業型なのか、一気通貫型なのかということです。
分業型とは企業担当と求職者担当と分かれているスタイルで、一気通貫型は企業側と人材側の両方を同一の担当が行います。効率を求め、分業型のスタイルを取っている人材会社が多いかもしれませんが、これらは会社の営業方針によります。スピーディーに進むけれども、細かな事情が通りにくかったり、それぞれで一長一短の特徴があります。また、障害のある方を専門とする人材紹介会社では発達障害のある方に対応できるスタッフがいるかどうかでも得意不得意が出たりします。
他に、事務系の職種に強いとか、IT系に強いとか。取り扱う求人数はもちろん重要ですが、発達障害のある方の受け入れ経験のない企業もまだ多いので、数多くの求人があっても、応募して選考に進む確率は必ずしも高いとはいえません。発達障害についてよく知るスタッフがいて、発達障害のある方の就職・転職実績のある会社を選ぶのが早道になるのかもしれません。
◆信頼できるキャリアアドバイザーを見つける
人生の中で転機は何度かあります。一般就労から障害者雇用枠に転じ当初は順調でしたが、業績の変化や上司の人事異動、さらに業務内容の変更から個人的な事情などから、そのまま就業継続するかどうか考えるシーンが出てくると思います。長年交流を続けているコンサルタントもしくはキャリアアドバイザーなら、いつでも相談に乗ってもらえます。このように自分が信頼できるコンサルタントもしくはキャリアアドバイザーを見つけることも重要だと言えます。
障害のある方の中には複数回の転職経験のもつ方も多いと言われています。
これまでの相談でも、今の職場の状況を聞くと転職を望む気持ちが理解できることが多々あります。
長く紹介事業を行っていると、就職・転職をお手伝いした方々の中から長く交流が続けている方も多くいらっしゃいます。その後も再度か転職のお手伝いをすることがあります。中には年収アップにつながることもあります。お互いに信頼関係が高くなることで、意志疎通ができ、求職者の事もよく理解できるがため、企業にも話が通しやすくなることも1つの効果かもしれません。